結納はなぜするの?

最近たまに「結納って流行らないですね?」という言葉を聞きます。
私たちにとって、大変残念な言葉です、しかし、はっきり言って、「結納儀式」はスマホのゲームなどとは違い、流行りものではありません。「結納儀式」は古くから伝わる儀礼です。その礼を知らないか、知っていても無視する方がされない方で、儀礼の重さを感じられている方はきちんとされています。
それでは、結納の儀式とは何でしょうか?
結納(納采の儀)は日本書紀にも記述されています。ご存知のように日本書紀は宮廷が内外に日本の歴史やあり方を示された書物です。その中に記述されている事は重要な意味を持つと考えられます。
その意味とは、天皇家が代々と続いているように、日本国民も先祖代々の血を大切にし、子々孫々までに伝えるようにとの意図が含まれています。また、儀式を通じて両家の絆を強くする意向が見えてきます。
最近の結婚は、個人の意思を尊重した物が多くなり、その裏に隠れている家と家の結びつきが軽く見られているようです。そして、結婚とは本人同士が幸せになる事だとされています。勿論一番大切な事だと思いますが、この事が現在の3組に1組という離婚率が示すように、本人同士の結びつきが無くなれば簡単に別れ安いという一因になっていると思います。
今、このような現状に気づかれ結納儀式が見直されてきているようです。
結納儀式は、男性本人だけでなく、男性側の親も、嫁いでくる娘さんを慶んで迎え、嫁がせる親様への感謝を表す儀式です。また、神聖な水引飾りで象られた縁起の良い鶴亀松竹梅を添えて贈る結納の品々は男女両本人、ご両家の末永い幸せを祈念するものです。そして、この両家の親様が表に出る事で親様同士の信頼が深まり、絆を強くすると思います。
結納品の大きさや形などは流行りがあるかもしれません、でも結納儀式は、正式な結婚をする為の最初の婚礼儀式です。堅苦しいかも知れませんが、やり直す事の出来ない大切な儀式です。ぜひ、ご両家の皆様で、慶んで男性側に迎えられる娘さんと、幸せな家庭を築いて行く若い二人をお祝いしてもらいたいと思います。

2016年08月04日